家事問屋と産地のこれから About - Mission
次の世代につながるものづくり
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燕三条のものづくりは分業制が基本。
「こうじょう」というよりも「こうば」という呼び方が似合う、
家族経営の小さな工場がほとんどです。
それぞれの工場が得意とする技術を活かし、
工程ごとに分担して進めていく。
まるで燕三条全体が一つの大きな工場のように、
地域一丸となってものづくりに取り組んでいます。
だからこそ、一つ歯車が狂うだけで
全体のバランスが崩れてしまう危うさがあります。
昨今、燕三条では高齢化が大きな問題になっています。
小規模な工場が多いだけに、その影響は他の産地以上に深刻です。
通常1ヶ月でつくれたものが2ヶ月かかったり、
1000個つくれていたものが500個になったり。
多くの工場で生産能力が落ちてきています。
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さらに、後継者不足も顕著です。
世界に誇れるものづくりに携わっているにも関わらず、
先が見えない不安から子どもたちに継がせない人が多いのです。
その結果、廃業する工場も年々増えています。
分業制ゆえに、たった一社の廃業でも、
二度とつくれない製品が出てきたり、
技術が途絶えてしまう危険があります。
一社の廃業が、家事問屋はもちろん、
産地全体の将来を左右する可能性があるのです。
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だからこそ私たちは、
産地を守れる存在になりたいと思っています。
少しずつでも、一定の量の仕事をお願いし続けることで、
安心して次の世代につなげられる環境をつくりたい。
そのために求められる製品を企画し、
使い手に支持され続けるブランドを目指しています。
ずっと使いたくなるものを、
ずっとつくり続ける
私たちのもとには、つくり手と使い手の両方から様々な声が届きます。
つくり手からは、ものづくりに対する熱い想いや、最新の技術、蓄積されてきた知識。
使い手からは、製品の感想や、こんなものが欲しいという要望。
両方の声をよく聞き、整理してお伝えする。
つくり手の声を使い手へ。
使い手の声をつくり手へ。
そんな「伝え手」として橋渡し
役を担うことで、
産地を守り、使い手の求めに
応えていきます。
ずっと使いたくなるものを
つくることで、
ずっとつくり続けられる
環境をつくる。
使い手とつくり手に
寄り添い続けることが、
私たち家事問屋の仕事です。
