【売り場の伝え手 vol.2】つくる人も食べる人も、健やかに笑顔で「おいしい」と思えるように
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文/藤沢 あかり
新潟・燕三条の作り手が培ってきた知識と技術で、暮らしの道具を生み出す「家事問屋」。2015年にスタートし、現在は全国約300店でのお取り扱いがあります。
わたしたちの想いを受け取り、さらに売り手の視点を交えて伝えてくださるお店があることで、わたしたちの製品はより広く、深くお届けできています。
この読みものでは、家事問屋を取り扱ってくださるお店をご紹介。
その想いや背景を知ることで、お店自体にも興味を持っていただけたらうれしいです。
今回ご登場いただくのは「おいしいで笑顔をつくるお手伝い」をモットーに、料理道具やうつわなどを扱うオンラインショップ『プロキッチン』。店長の小林さんとスタッフの三木さんに、じっくりお話をうかがいました。
目次
スタッフは元・お客さま。使い手の視点で商品を選んでいます
プロキッチンの大きな特徴。それはなんといっても、スタッフみずからその良さを実感し、納得したものだけを取り扱っているというところです。サイトをのぞくと、どのアイテムにもおすすめ理由や使い勝手が細やかに綴られ、まるで店員さんが目の前で「これは、こんなところが便利でね」と教えてくれているかのようです。
【店長小林さん(以下、敬称略)】スタッフはみんな、毎日料理をする生活者。そしてとにかく食べることが大好きです。だから道具やうつわひとつで、料理が楽になったり、もっとおいしくなったりすることが純粋にうれしい。ですから、自分たちが心からそう感じたものだけを紹介したいと思っています。
【スタッフ三木さん (以下、敬称略) 】商品選びは、バイヤーに限らずスタッフ全員が参加しているのも特徴です。「ちょっと聞いて〜!これ、使ってみたらすごく良かったよ」という感じで、友達同士、ママ同士のつぶやきのように日常的におすすめし合っているんです。スタッフは、ほとんどが元プロキッチンのお客さま。だから、世間でどんなに注目の商品だと言われても、自分達が実際に使ってみてピンとこなければ考え直しています。
そんなプロキッチンと家事問屋。お取り引きのはじまりは、ちょっとユニークです。
【小林】生活用品の展示会で、家事問屋の製品が明るく整然と並ぶ様子に引き込まれました。目新しいものではないのに、これまでに知っているものとはまったく違う。ためしにいくつか使ってみたら、どれも画期的な使いやすさや驚きがあるんです。すぐにお取り扱いさせてほしいとご連絡しましたが、お断りされてしまって……。でも、どうしてもあきらめられず何度もメールを送り、アタックし続けました。やっとお取り引きができると決まったときは言葉にならないくらいの喜びでしたね。
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実は、これには理由がありました。プロキッチンは、当時すでに魅力的で豊富な品揃え。こんなショップが扱いたいと言ってくださるのは、とてもありがたいお話です。しかしそれゆえ足りないものなど見当たらず、家事問屋が出る幕などない、というのが社内の見解でした。
ところが、プロキッチンから思いがけない申し出があり状況は一変します。
「家事問屋とお取り引きができるなら、キッチン関連の商品はすべて揃えたい」と言われたのです。
【小林】展示会で見た世界観と感動を、プロキッチンでも再現したいと思いました。家事問屋のアイテムはどれも、当たり前でありきたりのもの。でも、使ってみれば確実に違います。これはきっと、すべての商品を網羅しなければ伝わらないと思ったんです。
通常、新規メーカーの商品導入は、売れ筋のアイテムからスタートし、様子を見ながら徐々に拡大していくのが一般的な流れ。全アイテム取り扱いというチャレンジは、家事問屋の魅力をお客さまへ届けたいという本気度の表れでもありました。
かくして2018年6月、当初の言葉どおり、83アイテム(当時)というフルラインナップでお付き合いが始まったのです。
家事問屋の魅力は、品質と価格のバランス。自信を持って紹介できます
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【小林】家事問屋は社内でもとにかくファンが多いです。なんといっても品質と価格のバランスが絶妙ですよね。どんなにいいものでも、高価すぎては万人に手が届かないし、安かろう悪かろうでは困ります。少し背伸びだと感じる価格のものでも、そこに理由があり、使えば必ず満足してもらえると信じられるし、わたしたちも心から自信をもっておすすめしているんです。
たとえば、と挙げてくださったのが、この「スリム水切りバスケット」です。
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【小林】新居に引っ越したとき、水切りカゴにすごく悩みました。あえて「置かない」という選択肢も考えましたが、ないのはやはり不便。スッキリとおしゃれな見た目はあきらめられないけれど、予算も大切です。そんなときに一番しっくりきたのが家事問屋でした。美しさだけでなく、お皿の立てやすさ、トレイの水切れの良さなど、使ってわかる工夫がたくさん詰まっています。わたし自身、このアイテムひとつで途端に家事が楽になり、暮らしが変わったことを実感しました。
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スリム水切りバスケット 47
価格:9,350円(税込)
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スリム水切りバスケット 55
価格:9,900円(税込)
「これでいい」より「これがいい」、が集まった家事問屋のキッチンツール
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さらに、「キッチンツールは毎日使うからこそ、自然と使いやすいものに手が伸びる」と小林さんは話します。
【小林】菜箸ひとつにしても、いくつか持っているのに自然とそればかり使ってしまう……ということ、ありませんか?家事問屋のアイテムは、まさにそんなレギュラー入りの選りすぐりばかりなんです。
その中から、スタッフやお客さまに特に好評だというアイテムを教えていただきました。
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【小林】「横口ボウルザルセット」は、社内でも愛用者が多いですね。たとえば麺類を水で締めるとき、ザーッと水を出しながら洗っても麺があふれず、あっという間に冷えます。調理中の小さなストレスがなくなるって、実はすごく大切なこと。わたしはたこ焼きや茶碗蒸しの生地を流し入れるときにも使っています。
【三木】お菓子づくりのとき、型に生地を流すのにも便利なんです。生地をつくって、そのまま冷蔵庫で寝かせ、型に流し入れるまでがひとつで完了。レードルだと、何度もすくっているうちに垂れてきちゃうんですよね。先日はこれでカヌレを焼きました。
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横口ボウルザルセット 20
価格:4,950円(税込)
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横口ボウルザルセット 26
価格:5,500円(税込)
次に挙げてくれたのは、『味見スプーン』です。
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【三木】味見をするのにスプーンや小皿を出すと洗い物が増えるし、コンロ周りもごちゃつきます。煮え具合を確認するときに菜箸を刺すと、お芋や大根が割れちゃったり。かといって竹串や爪楊枝を使うのももったいない気がします。でもこの味見スプーンがあれば、すべて一本で解決。スタッフがお気に入りを紹介する「わたしのイチオシ!家事問屋」という企画でも殿堂入りになるくらい、隠れた人気者です。
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味見スプーン
価格:770円(税込)
隠れた人気者、といえばプロキッチンでは売上数トップクラスを誇るのが、『あんベラ』です。
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【小林】売上ランキングで、ほぼ毎日ランクインしています。餃子づくりはもちろん、サンドイッチにバターを塗ったり、調味料やジャムをすくったり。しっかりしているからハンバーグをひっくり返すこともできます。あんベラというより、もはや万能ベラ。一本買って使い勝手に惚れ込み、ご家族やご友人にとリピートしてくださる方も多いようです。
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あんベラ
価格:440円(税込)
さらに「ホットパン」は、スタッフ間でおいしい具材を競う「ホットパン選手権」を開催するほど、並々ならぬ愛情を注いてくださっていました。
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【三木】ホットパンは開発担当の久保寺さんが、わざわざ新潟から東京の事務所まで出向いて制作過程をご説明くださったんです。その熱意や背景、絶対的な自信にも感動しました。正直なところホットサンドメーカーとしては高級ですが、その価格に見合った味と使い勝手だということをスタッフみんなが実感し、心の底から自信を持ってお客さまにもおすすめしています。
【小林】お客さまに良いアイテムをご紹介するうえで、生産背景やメーカーの思いも深く知りたいと思っています。家事問屋は、つくる姿勢が一貫していてブレがないんです。「このアイテムが売れるからもっとほかのサイズもつくらないんですか?」と聞いても、「それは他社にありますから」と、きっぱり。それってすごいことですよね。誇りを持ってつくってらっしゃるから、わたしたちも胸を張ってお客さまにご紹介ができます。
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ホットパン(レシピBOOK付き)
価格:15,400円(税込)
食べることで、暮らしをもっと楽しく、健やかにしていきたい
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食べることの先にある、楽しく健やかな毎日。それこそがプロキッチンが目指す暮らしのかたちです。
【小林】食べることは、生きていくうえで一番大切なこと。どんなときも無理せず、ストレスなくキッチンに立ちたいですよね。道具ひとつをきっかけにそれが叶えば、こんなにうれしいことはありません。コンビニのお惣菜だって、お皿ひとつで豊かな気持ちになれるはず。つくる人も食べる人も、楽しく健康的に、笑顔で『おいしい』と言える毎日をお届けしたいです。
使い勝手のいいものを見つけたとき、「ねぇ聞いて!これいいよ!」って誰かに話したくなった経験はありませんか?使ってもらえたらうれしいし、共感しあえたら、もっとうれしい。
プロキッチンは、まさにそんなお店かもしれません。オンラインショップだからこそ、親しみを込めてていねいに。身近にいる大切な人とお気に入りを共有するような気持ちで、商品を紹介し続けています。
「生活者のプロである使い手」の本音が詰まったプロキッチン。だからこそわたしたちも真剣に、そして真摯にものづくりに向き合わねばと改めて背筋が伸びる思いです。
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〈取材協力〉
プロキッチン(株式会社常陸屋)
https://www.prokitchen.co.jp/