読みものcolumn

【売り場の伝え手vol.4】身近なしあわせをみんなに届ける、商店街の青い鳥

新潟・燕三条の作り手が培ってきた知識と技術で、暮らしの道具を生み出す「家事問屋」。2015年にスタートし、現在のお取り扱いは全国約300店に広がりました。

わたしたちの想いを受け取り、さらに売り手の視点を交えて伝えてくださるお店があることで、家事問屋の製品はより広く、深くお届けできています。

この読みものでは、家事問屋を取り扱ってくださるお店をご紹介。

その想いや背景を知ることで、お店自体にも興味を持っていただけたらうれしいです。

静岡県富士市吉原。富士山を見晴らし、そしてかつては宿場として栄えたこの町の商店街には、懐かしい面影を残す和菓子屋やおもちゃ屋が軒を連ねています。そのなかの一軒が、雑貨屋「シニリントゥ」。 ひみつの呪文のような、どこか不思議なこの言葉はフィンランド語で「青い鳥(sinilintu)」という意味です。

2008年のオープンから15年。地元のひとたちに愛されるこの店には、生活に欠かせない日用品から、ちょっと心が浮き立つような服飾小物や雑貨などが並んでいます。どれも店主みずから、実際に手に取り、長く一緒に過ごしていきたいと思う品々です。

店に立つのは、影島大地(かげしまだいち)さんと、直子(なおこ)さん夫妻。おふたりに、店のこと、そして家事問屋との関わりについてうかがいました。

一過性のブームより、長く付き合っていけるものを

「2008年の春に、夫婦でフィンランド旅行へ行きました。向こうは時間の流れがゆっくりで、休日になると街はとても静か。それぞれの暮らしを愛して大切にする文化があるので、みんな家で過ごしているのだと知りました。日本の手仕事も大好きですが、フィンランドの暮らしや素朴な雑貨にも惹かれ、店を開くときに、その気持ちを名前に込めました」(直子さん)

「家事問屋のことは展示会でお見かけして、ずっと気になっていました。実際に手に取って見せてもらっていたら、『あまり爆発的に売れることはないかもしれないけど、長くお付き合いいただけたら』なんて担当者さんが言うんです。たいていは『これはここが良い、だから売れています』ってアピールしますよね(笑)。でも、お話を聞いているうちに、その控えめな発言のなかに絶対的な商品への自信を感じました」(大地さん)

「自分たちも一過性のブームで売れるものよりも、使いながら『ああ、やっぱりいいね』と長く付き合っていけるものを扱うと決めています。これなら、わたしたちも自信をもってお客さまにお伝えしていけると思いました。
それに、この町の人たちにもぜひ紹介したかったんです。この店は商店街にあるので、昔のキッチン道具を知っているような年配の方がふらっと入って来られます。実際にお取り扱いが始まってみると『そうそう、こういうの便利よね』って買い求めてくださって、うれしいですね」(直子さん)

家事問屋 公式サイト」内でヘラ部分だけの購入もできます。汚れても交換できるので、長くお使いいただけます

「家事問屋さんのアイテムは、使うときも洗うときもストレスがないのがいいですね。もちろん、ステンレス自体の質や丈夫さもありますが、あらゆる面において『長く使える』工夫があります。たとえばシリコンスパチュラは色移りや傷みが出てきたら、シリコンのヘラ先だけ買い直して使い続けられますよね。パーツ単体でも買える安心感は大きいです」 (直子さん)

日常のささいなストレスがなくなる「ちょうどいい」使い勝手

「初めて使ったのは、味見スプーンです。コンロ脇の手に取りやすいところに置いてあって、味見以外にちょっとだけ粉物をすくいたいときなどにも使っています。煮え具合をチェックしたり、焼く前の鶏肉に穴を開けたり……お客さまにも人気なんですよ。

でも、いちばん使うのはインスタントコーヒーでカフェオレをつくるときかな。コーヒーの粉をすくって、豆乳を注いで。わたしはそこにちょっとだけオリゴ糖を入れるので、そこでも活躍します。最後にマドラーとしてぐるぐる。適量をすくって、混ぜて、その一連の作業にちょうどいいんです」 (直子さん)

味見スプーン

価格:770円(税込)

「使って初めて良さがわかるのは、なんといってもまな板受け! 調理中、食材を切るたびに何度もまな板を洗って、そのつど両面の水を拭き取って、というのが面倒に感じていました。でもそのまま置くと調理スペースが水浸しに。
まな板受けがあればシンク側にまな板が飛び出すので、匂いの強い野菜を切ったあとにさっと洗って、そのまま使えます。

野菜を切ったら、シンク内に置いたボウルでざっと受け止めて。こういう、ささいだけれど日常的なストレスがなくなるって、毎日料理をするうえでは大切ですね」 (直子さん)

まな板受け

価格:1,650円(税込)

「僕は柑橘皮むきが好きですね。柑橘類が大好きで、年に2回、愛媛に住む知人がいろいろな品種を混ぜて、どっさり送ってくれるんです。だから時季がくると、毎日せっせとむいています。

以前はプラスチック製を使っていましたが、使い勝手は良くても、道具としてテンションが上がる!という感じではなかったですね。これは使うたびに気持ちが上がるし、実際に使い勝手もいい。ステンレスだから、柑橘の油分や色移りが気にならず、洗えばすっきり落ちるのもうれしいです」 (大地さん)

柑橘皮むき

価格:1,760円(税込)

「下ごしらえボウルもやっぱり外せないですね。3サイズどれも使っていて、調理内容とチョイスした大きさがぴたっと合うと、小さく『やった!』って思います(笑)。ドレッシング作りや卵焼き、お菓子の粉物を量るとき……とにかく毎日フル活用です。お鍋のシーズンになると、ゴマだれをたっぷり作って、ボウルごと食卓に出しています。メモリがあるので、なんとなく目安がわかりやすいところも便利です」 (直子さん)

下ごしらえボウル 9

価格:1,430円(税込)

下ごしらえボウル 11

価格:1,650円(税込)

下ごしらえボウル 13

価格:1,870円(税込)

店に立ち寄ってくれるひとたちが、みんな親戚のよう

現在シニリントゥがある隣には、かつては直子さんの父親が営む洋品店もあったといいます。生まれ育った地元で、この店を開いたという直子さん。オープンから15年、店はこの町と一緒に育ってきました。

「父の店は、わたしが小学生の頃まで営業していました。ずっと地元なので周囲も知っているひとが多いですし、この商店街にはやっぱり愛着がありますね。

自分でも店を始めて15年が経ち、あまり実感はなかったけれど、いつもお母さんと一緒に来ていた小学生が気づいたら『もうすぐ社会人です』なんて言っていて、そう思うと15年って長い時間なのだなあと感じます」 (直子さん)

はじめて選んだキッチン道具が、一生の相棒になるかもしれない

「以前はよく来ていたのにしばらく見かけなかった人が、また顔を見せてくれるとホッとしますね。ああ、お元気でいてくれたんだな、また思い出してもらえたんだなって。

『最近、雑貨を見ていなかったけど、やっぱりこういうのいいわね』って言われたときは、すごくうれしかったです。そういうひと言がもらえるのは実店舗だからこそ。ずっとここにいると、町のひとたちの親戚みたいな気持ちですね」 (大地さん)

「新生活シーズンになると、進学や就職を機にひとり暮らしを始めるような子が、お母さんと一緒にキッチン道具を探しにきてくれるんです。特に『下ごしらえボウル』は、ひとり暮らしの準備にもぴったりのようで、『どの大きさにする〜?』って相談しながら選んでいますね。

わたしもひとり暮らしの学生時代に買ったうつわを、いまでも持っています。キッチン道具って、思った以上に長く使いますよね。家事問屋さんのものを選んだひとたちは、きっとこの先もずっと長く使っていくんだろうなと思うんです。

そう考えると、やっぱり長くじんわりいいなと思えるものを、これからも伝え続けていきたいですね」 (直子さん)

シニリントゥで選んだはじめてのキッチン道具が、この先ずっと、そのひとの食を支えていく。ささやかな「あ、いいな」が、だれかの明日の食卓の景色を変える。

富士山の麓の商店街にいる青い鳥。シニリントゥが運んでくれるのは、そんな素朴だけれど生活をやさしく照らす、小さな小さなしあわせです。

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