読みものcolumn

【売り場の伝え手vol.8】使いやすさがサステナブルな未来に。「食」から始まる心地いい暮らし

文/藤沢 あかり


新潟・燕三条の作り手が培ってきた知識と技術で、暮らしの道具を生み出す「家事問屋」。2015年にスタートし、現在のお取り扱いは全国約300店に広がりました。

わたしたちの想いを受け取り、さらに売り手の視点を交えて伝えてくださるお店があることで、家事問屋の製品はより広く、深くお届けできています。

この読みものでは、家事問屋のお取り扱い店をご紹介。

その想いや背景を知ることで、お店自体にも興味を持っていただけたらうれしいです。

国産天然木の家具や真鍮のランプ、食卓を彩る器に手編みのかご、そして肌触りの良いウェアに刺繍のアクセサリー。この店に並ぶのは、「ゆっくり、のんびり時を重ねる、心地よい上質な暮らし」をテーマにした品々です。

今回訪ねたのは、自然に囲まれた静岡県袋井市の郊外、複合施設の一角に建つ「cocochi(ココチ)」。

ドライフラワーを使ったリースやスワッグ作りやラタンのかご編みなどのワークショップも行われ、幅広い年齢層に愛される地元の人気店です。

「家具は長く使い続けていくもの、一生ものにもなり得るものです。だからこそ、新品が一番ではなく、使うほどに味わいや愛着が増すようなものであってほしいと思っています。cocochiでは、経年変化を楽しめる天然素材のアイテムを中心に、作り手の想いが詰まったものをセレクトしています」。

そう話すバイヤーの岩本佳純さんに、家事問屋との関わりや、お店づくりの様子をうかがいました。

お客さまのリアルな暮らしと重なる店づくり

「家事問屋さんのアイテムは、どれも丈夫で安心感があるところがいいですね。飽きのこないシンプルなデザインで、長く使い続けるうちに生活の一部になっていくのを感じます。実際に使ってリピーターになるお客さまも多いようです。

うちの売り場は、雑貨店にはめずらしいシンク付きのキッチン什器があるので、「水切りかご」や「ゴミ袋ホルダー」、「まな板受け」などの水回りのアイテムはご家庭で使うイメージをしていただきやすいようです。特に「まな板受け」は入荷するとすぐに売れちゃいますね」

とはいえ、何かひとつが突出するのではなく、どれもまんべんなく売れていくのが家事問屋さんのおもしろいところですし、担当者さんも同じようにおっしゃっていました。売り場に限りはありますが、できるだけ幅広い種類を揃えておきたいと思っています。

家事問屋さんの展示会に伺うと、みなさんイキイキされているんです。楽しそうに説明してくださるのでこちらもワクワクするし、アイテム一つひとつに自信と深い愛情を持っているのを感じます。

担当者さんもお料理好きなので、『こんな料理を作ったらおいしかったよ』『こう使ったら便利』と、いろいろ教えていただけるのがすごく楽しいです」

毎日の食卓もお弁当も、蒸しかごがあれば

「これから寒くなってくると、「蒸しかご」を手に取るお客さまが増えそうです。フライパンで手軽に蒸し物ができるのがいいですよね。せいろも持っていますが、こちらはお手入れや収納を気にする必要もなく、扱いがとても気楽なのでひとり暮らしのわたしにもぴったりです。

よく作るのは、塩麹につけたお肉と野菜の蒸し物。これだけで夕飯が完成します。野菜を少し多めに蒸しておくと、翌日のお弁当にも大活躍です。蒸し野菜はレンジでも手軽にできますが、『蒸しかご』だと水っぽくならないので、ぜひお試しいただきたいです。蒸しナスを冷汁に入れたり、鶏肉と一緒に醤油麹で和えたり……ほぼ毎日使うくらいお気に入りです」

「にんじんも丸ごと蒸すと甘くておいしいんです。粗くつぶしてから半熟の茹で卵と和えるのもおいしいです。味付けは手軽にマヨネーズでもいいし、わたしはさっぱりとオリーブオイルとマスタード、はちみつ、バジルで和えるのも好きです。自分で愛用していると、やっぱり熱が入ってしまいますね。」

ささやかな「使いやすさ」を積み重ねたアイテム

「『深型茶こし』も、初めて見たときは感激しました。静岡という土地柄、わたしもよくお茶を飲むんです。実家では急須を使っていましたが、これがあればひとり暮らしでもマグカップで気軽に飲めるし、実家の父にもプレゼントしたら、とても喜んでもらえました。

これ、丈夫なところもいいんですよ。ネットを使ったアイテムはだんだんゆがんでくることがありますが、家事問屋さんの茶こしは頑丈。日々のお手入れはサッとすすぐ程度ですが、ときどきスポンジでゴシゴシ洗っています。底が平らなので、カップから外したときに小皿に置いた時の安定感があるのもうれしいです。

目立つアイテムではないし、使っていると当たり前すぎて、忘れそうになるくらいのささやかなポイントですが、こういうことの積み重ねが『使いやすさ』になるのだと感じています」

「目立たないけれど……というところでは、『れんげスプーン』もリピートしていく方が多いアイテムです。シンプルなかたちで、パッと見ただけでは良さがわからないかもしれませんが、実際に使ってみてすごく感動しました。

たとえばカレーを食べたときに、くぼみにひとつも残らずスムーズに口に運べるんです。ほかのスプーンを使うときには意識したことがありませんでしたが、これを使ってみて『ぜんぜん違う!』と気づきました。角度や深さなど、こだわり抜いた形状なんでしょうね。口当たりも最高で、気づけばこればかり手に取ってしまいます。あまりに使いやすいので、家族や友だちに『試してみて』とプレゼントするくらい。かならず感動の声が返ってきます」

毎日のお気に入りが、サステナブルな暮らしへの入り口に

「キッチンツールは価格もデザインも、幅広くあらゆるものが世の中にありますが、自分が納得して、おすすめしたいと心から思えるものをご紹介したいと思っています。長く愛用できればゴミも出ませんし、環境への配慮にもつながります。

家事問屋さんのアイテムは、使いやすく丈夫で、飽きないシンプルなデザイン。だから一生ものとして付き合える頼もしさがありますね」

実は料理の仕事を経て、今のバイヤー職に就いたという岩本さん。アプローチの仕方は変わっても、家事問屋のアイテムを通じて、「食」の奥深さや料理の楽しさを伝えていくことによろこびを感じているのだと話してくれました。

毎日のごはん作りに、マンネリを感じることもあるでしょうか。それならば道具の力を借りながら、いまよりちょっと楽しく、心地よく。そしてサステナブルだから選ぶのではなく、便利で気に入るからこそ長く使い続けられ、それが自然とよい結果となる。心地いい明日をつくるきっかけが、「cocochi」から生まれているのかもしれません。

読みもの登場製品

水切りかご

価格:6,050円(税込)

ゴミ袋ホルダー

価格:2,200円(税込)

まな板受け

価格:1,650円(税込)

蒸しかご

価格:2,750円(税込)

深型茶こし

価格:1,100円(税込)

れんげスプーン

価格:660円(税込)

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