読みものcolumn

開発ストーリー「ゴミ袋ホルダーが生まれるまで」

直接口に入れるものを扱うキッチンは、清潔に保ちたいもの。

雑菌が繁殖しやすい水回りは、特に気になってしまいます。そんな水回りの汚れのもとになりやすいのが、“三角コーナー“です。

ちょっとお手入れを怠ると、ぬめりが発生するなど不衛生になりがち。毎日のことなので、ストレスですよね。

そんなストレスを軽減してくれるのが「ゴミ袋ホルダー

ポリ袋をサッと引っ掛けて、ゴミ受けにすることができます。

野菜の皮など、水切りをする必要のないゴミを三角コーナーで濡らさずに済むため、衛生的です。

また、三角コーナーよりも容量がたっぷりあり、卓上ゴミ受けとしてテーブルやこたつでも活躍してくれる使い勝手の良さも好評です。

今回は、シンプルな中に開発者のものづくりと、燕三条への熱い思いがギュッと詰まった「ゴミ袋ホルダー」の開発ストーリーをお届けします。

新しい視点から生まれた、卓上で使える「ゴミ袋ホルダー」

「ゴミ袋ホルダー」の開発を担当した清水は、東京出身。新潟出身の奥様との結婚を機に新潟へ移住し、縁あって下村企販に入社しました。

「前職は小売店で、いろいろな商品を取り扱っていました。中国製が多く、ものづくりといっても、ベルトコンベア式に機械化された大量生産のイメージしかありませんでした。

ところが、燕三条に来てみると、シンプルに見える製品でもいくつもの工程があること、職人さんが季節や素材に応じて細かい調整をするなど、きめ細かく品質を管理していることを初めて知りました。ものづくりの面白さを一から教わったんです」

入社したのは、ちょうど家事問屋が立ち上がった頃。「自分のことは自分でやるように」と、子どものころから料理や家事をこなしてきたという。

「実は、僕は虫が大の苦手ということもあって、キッチンの清潔感にはこだわってきました(笑)

三角コーナーにゴミを溜めると、水がかかってぬめりやにおいの原因になるので、必要な時だけサッと卓上でも使えるゴミ受けがあったらいいと思い、開発を試みました」

シンプルで、 “かゆいところに手が届く” 機能美を追求した、家事問屋らしいものを――。

ものづくりの醍醐味に目覚めた、清水の挑戦が始まりました。

毎日使うものだから、使い心地を追求

毎日使うものだからこそ、細やかな使い勝手にこだわりたい。家事の当事者として、「ゴミ袋ホルダー」のポイントをシンプルに絞りました。

 ●接地面積が少ないこと
 ●使いやすいこと

シンクに置いて利用するケースも考慮すると、衛生面において大切なことは「接地面積が少ないこと」と考えました。

そこで脚付きの形状とし、接地面を傷つけないよう、脚ゴムも考案。

▲安定感とキズ防止のための脚ゴム。劣化しても別売りでご購入できます。ご購入はこちらから

滑りづらくなることで、使いやすさのポイントになる安定感、安心感も生まれます。

一番苦労したのは、袋をしっかりと固定するための「ストッパーリング」

「サッと袋がかけられて、取り外しもしやすい、ちょうどいいフィット感になるリングサイズを探すのには四苦八苦でした。キツくし過ぎては取り外しにくくなりますし、ゆるければゴミ袋ホルダーとして機能しなくなります。

試作では径のサイズを変えるだけではなく、滑り止めの加工を施してみたりもしました」

何度も試作を繰り返し、ようやく納得の行くフィット感が実現したのでした。

▲袋止めのリングは、着脱しやすい最適なフィット感を模索

シンブルだからキッチン以外でも活躍

「ゴミ袋ホルダー」は、調理時に出る野菜の皮や端など、かさばるゴミを手早く清潔に処理することができます。

高さが17cmあり、シンク内でも水はねが入りにくいようになっているため、調理台を広く使いたい時などはシンクに置いても安心して使えます。穴が空いた袋を利用すれば、三角コーナーとしても使えます。

▲脚ゴム付きなので、シンク内でも滑りにくい。高さがあるから、水も入りにくいですよ

「持ち運びもしやすいので、僕は卓上に置いて、お菓子の包装紙入れに使ったりしています。

うちの子どもは、勉強の時に出る消しゴムのカスを入れるのに使っていますね。冬にこたつでみかんを食べる時の皮入れにもオススメですよ」

「ゴミ袋ホルダー」はキッチン以外でも、アイデア次第でさまざまなシチュエーションで活躍してくれます。

燕三条の職人技術と産地への想い

東京から新潟・燕三条へ移住して、初めてものづくりの面白さを知ったという清水。

燕三条だけで、ものづくりが完結できるくらいの環境が整っていることは決して当たり前ではないということ。その価値は外から来た人間だからこそわかる、と言います。

「東京にいる時は、『発注側が偉い』みたいな意識を感じることがよくありましたが、僕はそういう考えは違うと思っています。家事問屋では、製造を担ってくれている工場、職人の方々とのやりとりを大切にしています。

下村企販という会社で何十年も受け継がれてきたそういう文化、先輩の教えやものづくりへの想いを、僕もつないでいきたいと思っています。

大量生産・大量消費は、価格競争の世界です。決して悪いことではないし、量を動かすことも大切です。

でも、一つひとつに手をかけて、その手間に対する適正な価格で、今の時代の暮らしに求められているものを作るのが家事問屋のスタイル。そういうあり方が産地を守ることにもつながると思っています。

すぐ近くに生産現場があり、意見を交わし合えるという環境は、昨今なくなりつつあります。

そして、一度失われてしまったら、そう簡単に取り戻すことはできません。外から見たら、喉から手が出るほど恵まれているこの環境を大事に守っていきたいと思います」

季節や素材に応じて配合などを微調整し、一定の高品質を保つ燕三条の金属加工技術は、安価な海外製とは全く異なります。

家事問屋では、各分野で高い職人技術が集積している燕三条に拠点を置くからこそ可能なものづくりと、その文化の継承を目指しています。

キッチンのゴミ受けは三角コーナー、という固定概念に縛られず、日々キッチンに立つ生活者目線から生み出された「ゴミ袋ホルダー」

シンプルで使いやすく、お手入れも簡単。三角コーナー代わりにもなり、卓上にも置けるゴミ受けとして幅広いシーンで活躍してくれる使い勝手の良さ。

今までありそうでなかった、実に家事問屋らしい製品です。

ぜひ、ゴミ袋ホルダーを実際に手に取っていただき、製品に込められた開発者のものづくりの誇り、産地への想いを感じていただけたら幸いです。

快適な暮らしのための、手助けになれますように。

ゴミ袋ホルダー

価格:1,980円(税込)

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