【家事問屋ものがたり vol.4】これからも、長くお使いいただくために

文/藤沢 あかり
わたしたち「家事問屋」が、どんな場所から、どういった想いでお客さまに製品をお届けしているのか。その背景をみなさんにお伝えする「家事問屋ものがたり」
最終回となるvol.4では、長くお使いいただくためにスタートした、「寄り添いサポート」についてお届けします。
部品ひとつ、不具合ひとつもご相談ください

家事問屋が大切にしてきた、「たくさん売るより、長く売る」という思い。同時に、使い手であるお客さまにとっては「長く使い続けられる」ということも大切だとわたしたちは考えています。
製品そのものが、しっかりとした丈夫なつくりであること。そして時代の変化やニーズに流されにくく、普遍的に使えるものであること。それらに加えて、もし壊れたり不具合が起きたりした場合には、部品交換や修理ができることも大切にしています。

たとえば、「スリム水切りバスケット」。ステンレスでできたこの製品の脚の部分には、置き場所を傷つけないためのポリエチレンのキャップがついています。洗っているときにキャップが外れて紛失してしまったり、長くお使いいただくうちに劣化したりすることもあるかもしれません。毎日くり返し使う日用品は、ほんの小さな部品が欠けただけでも、それが引き金となり一気に使い勝手が悪く感じてしまうものです。
本体は変わりなく使えるのに、脚キャップひとつで買い替えるのは忍びない。そんなときにも部品を買い足すことができれば、安心して使い続けられます。

同じように「スポンジ置き」「せっけん置き」の吸盤、「シリコンスパチュラ」のヘッド部分など、本体から取り外せる部品については、できる限り追加でご購入いただけるようにしています。また、部品のみのご注文は送料無料でのお届けです。

さらに、壊れてしまった場合には修理も可能です。
長年ご愛用いただいた「パンチング味噌こし」の持ち手が外れてしまったというお客さまからは、「毎日お味噌汁を飲むから、この商品に愛着を持っていた。買い替えもできたけれど、長く使っていたものが手元に戻ってきてうれしい」と、喜びのお声をいただきました。
「産地問屋」の強みを活かした寄り添いサポート

これらは、企画・製造から出荷まで、ここ燕三条の地元で一貫して行っているからこそできることです。
製造がメーカーから遠く離れた場所だった場合、小さな部品ひとつを取り寄せるのは現実的ではありません。修理も同じように、工場が離れていては送り合うだけで多大な手間と送料がかかってしまいます。
部品ひとつ、小さな不具合ひとつにも対応できる。これは事務所からちょっと車を走らせれば部品が揃う、そんな町でものづくりをしているわたしたちの大きな強みです。
「新しく買い直したほうが安くて早い」と感じる方もいらっしゃるでしょう。効率重視、経済重視の考えでは成り立たないことかもしれません。
また、修理の際の送料は元払いをお願いしています。代わりに、こちらからご返送する場合も元払いです。これは、使い手も作り手も対等でありたいという、わたしたちの願いのあらわれでもあります。お送りについては、送料をご負担いただくことになってしまいますが、それでも、「長く使い続けていただきたい」、そして「育んだ愛着を守りたい」という家事問屋の考えにご賛同いただけるのであれば、全力で応えたいと取り組みを進めてきました。
これらの部品ご購入、修理に関するご相談は、ホームページの「寄り添いサポート」としてご案内しています。
お困りのときは、ぜひこちらよりご連絡ください。
これまでも、これからも、ずっと変わらずに

家事問屋をスタートしたときに、掲げたことがあります。
それは、「10年続くブランドに育てたい」という思いです。
長く作り続け、そして長く愛され続けるブランドにしていきたい。そんなふうに、生産者のみなさんと手を取り合いながら、一つひとつの製品を送り出してきました。
ありがたいことに家事問屋を知ってくださる人の輪は広がり、「使っています」とお声をいただくこともずいぶん増えました。
「これが便利だったから、ずっと使い続けたい」「次に買うアイテムも家事問屋で選びたい」。そのお言葉が、なによりの励みです。
そのために、できることはなんだろうか。ほんとうに必要なものは、どんなものだろうか。使い手と作り手の立場を行き来し、常に問い続けながら、これからの10年、そしてその先も変わらず実直に、燕三条から製品をお届けしてまいります。
