開発ストーリー「ハンギングバスケットが生まれるまで」
文/金子 美貴子
カビやぬめりが発生しやすい浴室まわり。清潔を保つためにも、すっきりさせておきたいですよね。
それでも、家族がいたり、美容好きだったりすると、気づけば物が増えていて
備え付けの棚が手狭になったりしていませんか?
そんな時におすすめしたいのが2024年の新製品「ハンギングバスケット」です。
連結もできる吊り下げ収納で、限られたスペースを有効活用できます。
脚付きだから、浴室の床にそのまま置いても衛生的。サビにくいステンレス製で、水切れがよく、お手入れもカンタンです。
お風呂に入る時だけ、掃除の時だけ、使う時だけ。バスケットごと移動させれば、浴室まわりをすっきり保つことができます。
もちろん、浴室まわりに限らず、使いどころはアイデア次第。今回は、そんな「ハンギングバスケット」の開発ストーリーをお届けします。
目次
開発者自身が使い続けた製品を、満を持してリニューアル
「ハンギングバスケット」を開発したのは、入社8年目、三条市出身の30代女性です(以下、担当者)。彼女が大切にしていることは、長く使えるシンプルさ。「てつまろ」や「穴あきターナー」などの開発も担当してきました。
今回、2024年10月に発売したハンギングバスケットは、2020年に彼女が下村企販(家事問屋の運営元)として開発した製品がベースになっています。
「最初に開発したきっかけは、浴室で使うものが少しずつ増えて、備え付けの棚では間に合わなくなってきたことでした。
浴室内のタオル掛けや物干し竿などに掛けて使える吊り下げ収納にしたかったので、重くなりすぎないよう、一般的な形状のボディソープ、シャンプー、コンディショナーなどが3本ほど入るサイズにしました」
また、限られたスペースを効率よく使えるよう、縦に連結できる仕様に。発売後、浴室まわりの製品として好評をいただき、自身でも愛用すること3年。さまざまな場面で使い勝手の良さを実感したと言います。
「ボトル類をバスケットに収納するようになってから、掃除のときはそのまま浴室外に出せますし、ボトルの底がぬめらないので、お風呂場の掃除が格段にラクになりました。
また、腰のヘルニアで、1週間ほど体を動かせなくなったことがあるのですが、入浴時に必要なものがバスケット1つに収まっているので重宝しました。
足元に置けば棚から一つひとつ取って戻して、ということをしなくて済むので、すごく助かりましたね。ケガをした時や、体が不自由な方、ご高齢の方にも便利ではないかと思いました」
日々の使用で思わぬ利点の発見があった一方、改良点もいくつか見えてきました。家事問屋に「キッチン用品以外の製品も拡充していきたい」と考えていたのもちょうどその頃。
「そうだ。あのバスケットをリニューアルすれば、家事問屋の製品として提案できるのでは…?」
そんなひらめきから、ハンギングバスケットの開発に着手したのでした。
強度を高め、デザインもさらに洗練
担当者が改良したいと考えたポイントは、大きく2つありました。
「3年間使い続けているうちに、ポンプを押したときの荷重で少し脚がゆがんできました。なので、まず強度を上げること。それから、試供品やトラベル用などのミニサイズのものやブラシ類が落ちにくいよう、底面の網目の間隔を少し狭めたいと考えました」
製造は、ワイヤー製品のプロフェッショナルである内山産業。「スリム水切りバスケット」「ディッシュスタンド」「鍋蓋置き」など、家事問屋のワイヤー製品を担っていただいています。
内山産業と相談しながら、強度を上げるためにフレームのワイヤーを一回り太いものに変更し、底面の網目の間隔を5ミリほど短縮。ワイヤーを太くする代わりに、支えとして中央に1本入れていたワイヤーをなくしたことで、デザインも洗練されました。
「形状だけを考えれば、もう少しバスケットのサイズを大きくしたり、底面のワイヤーの本数を増やしたりできたかもしれませんが、その分バスケット自体の重量が増えます。
置いて使うだけなら、それほど気にしなくてもいいのですが、これは吊り上げ収納で、一般的な浴室内の物干し竿の耐荷重は10kg以下、タオルバーだと2kg程度のものもあります。吊り下げる場所の耐荷重を必ず確認した上で使っていただきたいので、2個連結して使うケースも考えると、本体自体をあまり重くするわけにいきません。
重量の増加を最低限に抑えつつ、必要なワイヤーの太さや網目の間隔を決めました」
開発者自身が3年間愛用したからこそ見つけ出した、細やかな改良点を反映した「ハンギングバスケット」。家事問屋では、初めての浴室まわりの製品として無事デビューを果たしました。
掛けて便利、置いて安心。限られたスペースを有効活用
浴室の物干し竿やタオルバーに吊り下げて使える「ハンギングバスケット」
ボディソープやシャンプー、コンディショナーなどはもちろん、ブラシやおもちゃ、掃除道具などの収納にも便利です。
熱やサビに強いステンレス製で、水切れも良いので、ぬめりやカビが発生しにくい。脚付きで、床置きした時の安定感も抜群。バスケットに入れたまま、ボトルのポンプをしっかり押してもぐらつくことなく安心です。
2個まで連結できるから、空間を有効活用して物が多い浴室スペースもすっきり保てます。
ボトル類をそのままバスケットごと浴室の外に移動すれば、お掃除も楽にできます。
引っ掛ける場所さえあれば、浴室に限らず、脱衣室、洗面所、洗濯機まわりなど、さまざまな場所で活躍してくれますよ。
家事全体のサポートを目指したい
ステイホーム時間を少しでも充実させようと、コロナ禍に集中的に進んだ買い替え需要もすっかり落ち着いた今、家事道具に求められるレベルはさらに一段階上がり、高い品質やデザイン性に加え、長く使える、収納しやすい、洗いやすい、といった多層的な付加価値が不可欠になっています。
そんな中、これから家事問屋が目指す方向について、担当者に聞いてみました。
「家事問屋は、毎日使うキッチン用品のラインナップが充実してきたことで、認知いただけるようになっていることを肌で感じています。ただ、キッチン以外では、店頭で世界観を演出できるほどのアイテム数がまだまだそろっていません。
『家事問屋』というからには家事全般をカバーしていかなくてはいけませんが、掃除や洗濯などの“裏方道具”は、満足度や付加価値よりも、価格で選ばれがち。使いやすくて素敵だなと思えるものを作っていきたいですね。
今後は家事問屋がキッチン用品で培ってきたノウハウをベースに、さまざまな家事の場面に対して、店頭で魅力的な世界観を提案できるよう、キッチン以外の家事道具ももっと増やしていきたいです」
そんな想いから、担当者が家事問屋初の浴室まわり製品として開発したのが「ハンギングバスケット」
家事問屋の製品があることで、家事時間がもっと楽しいものになる。
キッチン以外でも、そんな風に思っていただける製品を増やしていけるよう、担当者は日々アンテナを広く張り巡らせています。
浴室や洗面まわりは物で溢れかえっていてもついつい後回しになりがち。
床置きしているものや定位置がないものも、「ハンキングバスケット」ならまとめて解消してくれます。
浮かせて収納することで、スペースも増やせてきれいさも持続。限られた空間だからこそ、使いやすく整えば、自分も家族も心地よく過ごせますね。
日々の暮らしがより快適になるお手伝いを、家事問屋はこれからも考えていきます。
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